洋菓子店必見!2割のファンで8割の売上拡大するファンマーケティングとは?

近年、「街のケーキ屋さん」といわれる洋菓子店の倒産が急増しています。

2019年が洋菓子店の倒産件数過去最多でしたが、2020年も過去最多になるだろうと言われています。

洋菓子店の倒産件数

※2020年は1月〜8月までの件数

出典:帝国データバンク

コンビニスイーツの台頭、主要原料価格の上昇、人手不足が主な要因となっています。

 

通っていたスイーツ店や行列ができるほど人気だったお店が突然閉店してしまうという悲しいニュースが最近非常に多いです。

そんな「街のケーキ屋さん」に少しでも力になれるような術を、ファンマーケティングという戦略で成功した企業を参考にして伝えていこうと思います。

 

 

1 ファンマーケティングとは

ファンマーケティングの「ファン」をおさらいしましょう。

ファンとは、特定の人物や事象に対する支持者や愛好者のこと。「熱狂的な」を意味するファナティックの略のことです。

つまり、お店の熱狂的なファンを作るマーケティング手法のことを意味します。

 

ファンマーケティングの背景には「パレートの法則」というものが存在します。

パレートの法則とは、2割の要素が全体の8割を生み出しているという法則です。

20%の顧客が全体の売上の80%を占めている

出典:ONE MARKETING

ビジネスにおいては、売上げの8割は、全体の2割の顧客で占めているということになります。

不特定多数の消費者を商品の購買やサービスの利用に誘導するのではなく、一部の熱狂的なファンに、繰り返し商品を購買したり、サービスを利用してもらったりすることを目指すマーケティング手法になります。

 

2 ファンマーケティングで成功した企業事例

実際にファンマーケティングで成功した3つの企業を紹介していきます。

2-1「ルタオ」 ネットリニューアルでEC会員数170%に増加に成功

ネット客の多くは、リピーターが多かったためリピーターを大事にする施策をし、EC売上を拡大しました。

高評価でも低評価でもレビューをお客様が見たかどうかが商品をご購入いただくための大きなポイントになると考え、レビューを多く書き込んでもらうレビューシステムをEC上に作成し、成功しました。

 

「ルタオ」の3つのファンマーケティング施策

❶お客様をある一定の条件に基づいてランク付けし、よくご利用いただいているお客様のみクーポンを発行

❷よくご利用いただいているお客様へ送料の優遇、運営しているカフェへのご招待制度

❸「Bazaarvoice(バザーボイス)」という独自のレビューシステムで多くのお客様からのレビュー

→毎月レビュー投稿していただいた方の中から抽選で5名にスイーツのプレゼントなどの施策で口コミを増やす

 

参照:株式会社インターファクトリー

EC会員数170%に増加—洋菓子ブランド「ルタオ」が、サイトリニューアルでリピーターを増やした理由

 

 

2-2「洋菓子の家mimi」 ネット通販と店頭販売を連動することで1時間で150件の受注に成功

私たちの同じ街で活躍している「洋菓子の家mimi」さんは、ブログやFacebookを活用した温かみある情報発信が評価され「カラーミーショップ大賞2017」の「ジャンル賞」を獲得しました。

静岡を中心としたSNS上でのファンとの交流を大切にし、Webメディアに取り上げられたのがきっかけで、全国からたくさんの注文がくる店へと成功されました。

お客様の心を射止める様なビジュアル重視の写真を頻繁に投稿することで、SNSがお店とファンの交流の場となっているそうです。

 

「洋菓子の家mimi」3つのファンマーケティング施策

❶Facebookでお知らせや長文を頻繁に投稿

❷Instagramで旬のケーキや人気商品などの「インスタ映え」写真の投稿

❸ワークショップや季節の行事などといったリアルイベントを多数企画

→イベントで伝授したモノを家で作った時などのInstagram投稿依頼

 

参照:よむよむカラーミー

「1時間で150件の受注も!「洋菓子の家mimi」が顧客の心をつかんだ3つのポイント」

 

2-3 「くりーむパンの八天堂」広島県内から日本全国や海外へ展開

口コミを通じて情報が拡散していき、ある芸能人がTVとブログで紹介したことがきっかけで、SNSが日本全国や海外までも広がり売上が拡大されました。

SNSの凄さや、偉大さがわかった今では、SNSに投稿した後も大切にしています。

どの投稿が反響がよかったかを数値で追ったり、ファンからの投稿で商品アレンジやコーディネートなどを勉強するなどして改善をしています。

今後は、ファンと一人一人とじっくり話しができる様なイベントを実施していくようです。

 

「くりーむパンの八天堂」3つのファンマーケティング施策

❶お客様へ実際に商品を食べてもらい、感想をインスタグラムやブログに投稿依頼

→サンプリングを通じて手に取りづらい新商品を体験して貰い、感想をSNSで拡散

❷Instagramでさまざまな取り組みについて発信

→くりーむパンの情報だけでなく、食パンやスーパーマーケットだけに卸しているメロンパンなどの情報、工場見学、カフェリエというカフェ事業、そこでのパン作り体験などについての情報も発信。どの投稿の反応が良いかなどの数字も追う。

❸運営するカフェや工場見学に来ていただくなど、商品だけにとどまらない、八天堂のブランドそのものを体験して貰う

 

参照:モニプラ ファンブログ

「ファンの口コミでじわじわと拡大、今や日本全国&海外にも展開中!【くりーむパンの八天堂】が語る、これからのファンマーケティングとは?」

 

 

2-4 ファンマーケティングまとめ

ファンマーケティングは、SNS上の頻繁なファンとの交流や、多くのお客様レビュー、ファンを大切にしていく施策、などが成功の鍵になりそうです。

ターゲットを決めないでのチラシやクーポンへの投資ではなく、ターゲットを絞ったリピーターやファンへの投資をしてみてはいかがでしょうか?

 

3 ロングテール戦略

パレートの法則(ファンマーケティング)と対照的な戦略となるのが、近年注目されている「ロングテール戦略」になります。

「Amazon」のように、ニッチであまり販売されていない商品を多様に揃えることによって、全体の売上を上げる戦略です。

インターネットが普及し、売り場面積に対する考え方が変わってきたことによって生まれました。

ロングテール戦略表

出典:ビジネスポータルサイトアクシア

 

ロングテール戦略で成功したシャトレーゼ

TBSの番組「坂上&指原のつぶれない店」でシャトレーゼが紹介されていました。

生産を無人化へすることで大量な商品数を大量に生産できることに成功できたため、ネット販売ではなく、実店舗でロングテール戦略を実現しました。

コンビニスイーツと同様にシャトレーゼも業績が右肩が上がりとなっています。

 

「シャトレーゼ」3つのロングテール戦略施策

❶設備に投資し、全て無人化でシュークリームを1日3万個以上生産(約2000平方メートルテニスコート10面分で働いている人は1人)

❷成人式ケーキ、いい夫婦の日など、イベントケーキを連発(イベント日の売上は通常時150%)

❸年間200種類の新商品を生み出し、商品数は400種類

 

4 まとめ

コストを下げてコンビニスイーツと戦ったり、不特定多数の方へクーポンを配る施策はもうやめましょう。

ファンマーケティングはEC販売、ロングテール戦略は生産などのAI化への投資が必要となってきますが、何かしら新しいモノを取り入れて洋菓子店倒産ラッシュを生き抜いて欲しいです。

EC販売を含めたホームページ制作のご相談は、カブフジまでご相談ください。