ペルソナ設定

「 ペルソナ」とは、商品・サービスを利用する顧客の中で最も重要な人物モデルのことです。もともと、古典劇において役者が用いた仮面を指していますが、心理学のユングが人間の外的側面をペルソナと呼んだことが由来とされてます。

マーケティングでは当たり前のように使っているけれど、実は何となくしかわかっていない方も少なくないはずです。似たような用語である「ターゲット」と比較してみるとわかりやすいと思います。

商品・サービスのユーザー像を考えるという点ではターゲットもペルソナも同じですが、人物像の設定をどれだけ深くするかが違います。

 

具体例としては、以下のとおりです。

ターゲット

ターゲット(標的)とは、サービスを利用するであろうユーザーを指し、年代、男女、既婚未婚、職業、年収などのスペックでユーザーをセグメンテーション(似たようなグループに分類)し、狙いたい見込み顧客を絞り込むことをターゲティングといいます。ターゲットを絞ることで、ユーザーの特性やニーズをしっかりと汲み取り、狙ったマーケットに対して有効にコストをかけることができます。

逆にターゲットをしっかりと定めないと、こういう人もいるはずだ、ああいう人もいるはずだとあらゆるニーズに答えようとして、コンセプトがぼんやりとしたものが出来上がってしまいますので、ターゲットは絞った方が良いです。

 

例)40代、富士市在住男性、会社経営者、趣味はサッカー

ペルソナ

市場が成熟し、生活者のニーズも多様になった今では、より詳細な顧客像を基にしたマーケティングが求められるようになりました。そこでユーザーの理解を深めるために、サービスを使って欲しい最も重要なユーザーモデルとして設定します。それによって、趣味や価値観、パーソナリティーを持った架空の人物像が「ペルソナ」となります。
例えば、新しく立ち上げるWebサービスの利用者を「富士市に住む40代男性会社経営者」とターゲティングしても、プロジェクトメンバーの頭に浮かぶ対象者は、バラバラになってしまいます。そこで、Aさん、Bさんというペルソナを設定することで、具体的な顧客像を手に入れて、ユーザーのことがより理解できるようになります。

 

例)杉山達雄、41歳、男性、会社経営者、富士市厚原在住

妻、長男(10歳)、次男(7歳)の4人家族

世話焼きの性格で、面倒見が良い

趣味はサッカー、読書、キャンプ。月に2回仕事仲間とサッカーとする。月に1度友人家族と一緒にキャンプに出かける。

月に一度会社ブログ更新。SNSは苦手。

 

どちらが良い悪いではありませんが、ターゲットは人物像をやや幅を持たせて設定するのに対し、ペルソナは人物像をリアルに設定していきます。

「 ペルソナ」設定の重要性

商品開発、マーケティングには、世代も性別も違う様々な人間が関わります。また、個人が製品に対して考えているイメージや視点も全く同じとは限りません。関係者の認識が共通でないままマーケティング活動を進めてしまうと、それぞれの思う人物像にバラツキが出てしまい、ターゲット像が曖昧になってしまいます。

ターゲット像が上手く定まっていない状態では、効果的なマーケティング活動が難しくなります。また、関係者の幅広い意見を1つの製品に取り入れようとして、結果的に ユーザーニーズを満たす製品ができ上がらない可能性も出てきます。

そこで必要なのが、人物像への理解を深めるために「ペルソナ」を作成することです。

ペルソナ」を設定するメリット

1.担当者間で、共通した人物像を形成することができる

担当者間で認識がズレたままでは、無駄な作業が発生したり、スケジュールが遅れるといったトラブルになりかねません。ペルソナという1人の代表的な人格を設定することで、異なる分野の担当者とも共通の人物像をイメージすることができ、効率よくプロジェクトを進行することができます。

 

2.ユーザー視点の精度を高めることができる

定量データや多くの情報をもとに詳細な情報まで設定したペルソナは、1つの人格のようなものです。 ペルソナのニーズを満たすような製品を考えることは、そのほか多くのユーザーのニーズを満たすことにつながり、結果的に ユーザー視点の精度を高めることができます。 ユーザー視点の精度を高め、 ユーザーが求めるものを製品に集約すれば、製品の完成度を高めることにもつながります。

「 ペルソナ」作成・活用の注意点

1.思い込み、先入観を反映しないこと

ペルソナを作成する上で注意したいのが、思い込みや先入観です。数字で表すことができない「定性的」な部分のあるペルソナ作成では、元々持っているイメージや希望をつい反映してしまいがちです。しかし、担当者のイメージを反映してしまっては、実際に購入する人物像とは大きなズレが生じてしまいます。

 

2.担当者、関係者全員にイメージしやすいようにする

いくらペルソナを作成しても、作成者以外の関係者が同じイメージを持てなければ意味がありません。ペルソナ作成の目的は、代表的なユーザーの人物像を担当者間で共有することなので、イメージしやすい必要があります。統一的な製品イメージを関係者間で常に共有するためにも、ペルソナは誰でもイメージできる平均的な人物像であることが望ましいです。イメージしやすくする方法としては、写真を使って外見も考える方法があります。

 

3.作りっぱなしにしない

ペルソナは実際に存在する人物像をリアルにイメージして作成していますので、参考にしているユーザーの環境、情報も常に変化します。作成したらそのままではなく、ユーザーの動向に目を向け、定期的にブラッシュアップしていく必要があります。

まとめ

ユーザーニーズが多様化している現代でマーケティングを成功に導くためには、ニーズを的確に把握できなければいけません。代表的な顧客としてペルソナを設定し活用することで、背後にいる多くの顧客が求めるものを提供することができます。そして、ユーザーニーズが複雑化・曖昧化・多様化してくる今後、より一層求められるようになるでしょう。