Webサイトの目的と目標

目標設定

皆さんのWebサイトは目的と目標が明確になっていますか。

ユーザーにアクセスしてもらうことができなければWebサイトの価値は無いと言っても過言ではありません。また、たとえ集客することができても、適切なコンテンツを提供できていなければ、興味を抱いてもらったり、行動を促進したりするのは難しいと言えるしょう。つまり、Webサイトをビジネスに活用するのであれば、目的を明確にして、目的達成のために目標設定をする必要があります。

目的のないWebサイトは?

何でも屋さんになる

目的がはっきりしていないと、コンテンツを追加するとなっても思いつきでコンテンツを足していくことになります。
Webサイトを開いてみると、展開している事業の情報に強弱が無く、何をやっている企業なのかがわからない・・・といった状況になっているWebサイトは現在でも数多く存在します。
あまりにもネタがないのか、昨日食べたご飯の情報が載っていたりするWebサイトも確かに存在します。
これでは、Webサイトを訪れたユーザーに何も伝えることはできません。まともに目を通さずに離脱してしまうでしょう。

 

改善するにも施策が打てない

Webサイトは、制作を行ってただ放置しているだけではなかなか利益を生み出すことはできません。
Webサイトに設置したアクセス解析を分析し、訪れたユーザーの声を抽出し、サイトに反映する。必要であれば広告に予算を投じて集客を強化する。
こうした改善を通して、少しずつユーザーが求める姿にWebサイトを近づけていくのが本来あるべき姿です。
ところが、Webサイトに目的が無かったらどうでしょう。
目的がないのですから、適当にコンテンツを追加するということしかできなくなってしまいます。
そうした目的のない業務に貴重な時間的リソースを割くのはもったいないですし、予算を投下するなんてことはもってのほかという話になってしまいます。こうして、誰の手も加わらない放置サイトが誕生してしまうのです。

Webサイトの目的とは?

①資料請求、問合せなどのリード集め
Webサイトでいきなり申し込みを募るのではなく、まずは興味のあるユーザーを集めることを目的とします。
BtoBビジネスなど、検討期間が長く導入に複雑な手続きが必要な商品・サービスや、人生のうちにそう何度も購入しないような単価が高い商品・サービスの場合、いきなりWebサイト上で申し込みを行ってもらうように設計しても、なかなか反応は取れません。
そうした場合は、Webサイト上でリード(見込み客)を集め、必要なときに必要な情報を送付できるように準備をする必要があります。

主にコーポレートサイトがこれにあたります。

 

②商品の購入、サービスの申込み
比較的低単価の商品や、BtoBサービスであってもサービスの内容が明確である場合は、Webサイト上で商品・サービスの購入ができるように設計することも可能です。
この目的をもとに、商品をたくさん集めて、仮想的なお店のような形にしたものをECサイトと呼びます。
資料請求や問合せなどと比べると、心理障壁は高くなりますので、もしこの目的を定めてしばらく運用したけど売上が思わしくない場合は、リードを集める方向性に方針転換をするといった手法も挙げられます。

 

③認知度の向上
店舗の紹介であったり、まったく新しい商品・サービスを立ち上げた場合、まず最初にその店舗や商品・サービスの内容をユーザーに認識してもらう必要があります。この場合、Webサイトの目的は「認知度の向上」となります。
また、特に新しいサービスというわけでもないけれど、あまり世に知られていない中小企業の場合においても、このプロセスは非常に重要となります。
競合ひしめく業界であれば、なおのこと、自社を認知してもらって、さらに他とは違うという説得を行う必要があります。

主にプロモーションサイトがこれにあたります。

 

④コストの削減
ビジネスの推進といった意味合いでは、上記の事柄と少々毛色が違ってきますが、コストの削減も立派なWebサイトの制作目的です。
この目的で制作されるWebサイトで代表的なものは、FAQやサービスの利用方法について案内がされたユーザーの問題を解決設定するサポートサイトと呼ばれるサイトです。
ここサイトに訪問することで、ユーザーが抱えている問題が解決できれば、コールセンターにかかってくる電話が減り、結果、コストの削減につながります。
また、Webサイトを経由して受動型の営業をする場合も、営業コストの削減と捉えることは可能です。
この場合は、どの程度の売上をWebサイト経由であげれば営業コストの削減となるのか、しっかり計算で割り出し、目標値を定めて追いかけることが重要となります。

Webサイトの目標(KPI)設定

KPIの設定
KPIとは、Key Perfomance Indicatorの略で、自分たちが行った施策に対してKPIがどの程度変化するかをモニタリングすることで、施策の評価を行うための指標です。上記のようにWebサイトの目的が決まると、どうすればWebサイトがその目的を達成できるのかというアイディアがでてきます。
こうしたアイディアを関係者で持ち寄って、具体的な目標、KPIを定めていきましょう。
例えば、「問い合わせを増やす」ことが目的であれば、「問い合わせページへの到達数」「問合せ数」を目標に、

認知度の向上」が目的であれば、「訪問者数」を目標に設定する必要があります。

 

KPIの定め方
KPIの定め方にもさまざまなものが存在していて、採用する施策によっていろんなKPIの定め方が存在します。
例えば、Webサイト自体の目的が「資料請求」であっても、事業全体の目的が「売上の向上」であれば、Webサイト自体のゴールである「資料請求の達成」もKPIとして定めることがあります。
また、Webサイトから離れて、資料請求後の商談成立率や、商談からの成約率などもKPIとしてモニタリングすることで、Webの枠を超えて事業全体の底上げのためにWebサイトとして何を為すべきかが考えられるようになります。

最後に

Webサイトの目的と目標設定の必要性と記載しました。しかし、冷静に考えないといけないのは、あくまでWebサイトは、ユーザーにとって企業との接点の1つに過ぎません。ユーザーとの接点であるチャネルがすべて連動することで初めて成果を出すWebサイトとなります。「WebサイトのためのWeb戦略」ではなく、企業全体の戦略として何をしなければならないか、それを成し得るために企業全体としてどのように取り組むのか、「企業戦略に基づくWeb戦略」がWeb戦略のあるべき姿です。このことを踏まえて、目的を明確にし、目標設定をする必要があります。