印刷用紙の原紙寸法ご紹介

「原紙の寸法」
日本国内ではA3、A4、B5サイズが紙のサイズの主流となっています。しかし、紙のサイズは他にも細かく分かれています。
「原紙」とは、仕上がり寸法に裁つ前の、紙のもともとの大きさです。JISではA列本判・B列本判・四六判・菊判・ハトロン判の5種類について「紙の原紙寸法」を定めています。
写真は白い紙が菊判の原紙、色のついた紙がA2サイズで、菊判の原紙はA1サイズより一回り大きいサイズです。

A列:原紙のサイズは625mm×880mm
A列は、日本の規格ではなくドイツの工業規格が元になっているサイズです。ドイツの物理学者であるオズワルドが考案した規格で、日本では1929年に取り入れられました。現在では、国際規格として広く普及しています。
面積が1平方メートルの「ルート長方形」をA0としました。
A4はA0を4回半分にした物=1/16平米のルート長方形です。

B列:原紙のサイズは765mm×1,085mm
B列は、江戸時代に公用紙として使用されていた「美濃和紙」の判型である美濃判に由来します。江戸時代の御三家の1つである尾張藩が美濃地方で作らせた美濃和紙は、障子紙の版形としても使用され、日本標準規格として定着しました。
面積が1.5平方メートルの「ルート長方形」をB0とした国内規格サイズです。
ルート長方形」とは、縦横比率が「白銀比」と呼ばれる「縦:横=1:√2」となっており、どこまで半分にしても同じ形、相似形の長方形です。
A列同様に、数字が1つ大きくなるにつれて紙の面積は半分になります。

菊判:原紙サイズは636mm×939mm
菊判は新聞用紙に使用する目的で、日本がアメリカから輸入した紙のサイズです。当初は新聞用紙のみに使用するつもりでしたが、後に他の出版物にも使用されるようになりました。
菊判という名前の由来は、輸入紙の商標にダリアの花が使用されており、菊の花に似ていたことによるといわれています。さらに、菊は皇室の紋章であることや、新聞の文字の中に「聞(きく)」という漢字が入っていたことなども理由とされているようです。
菊判の中で最も大きいサイズが全紙(636mm×939mm)で、それを長辺で半分にしたサイズを半切(469mm×636mm)、というように、紙の面積は半分になります。
商業印刷では、仕上がりサイズより大きいサイズの紙に印刷し、その後、裁断して仕上げます。
例えば、A4サイズの仕上がりのものを印刷するときは、一回り大きいサイズの紙である「菊判」を用意します。

四六判:原紙サイズは788mm×1,091mm
明治時代にイギリスから輸入された四六判は、イギリスの紙の規格である「クラウン判」が元になっています。
美濃判の約8倍もの大きさがあり、出版物によく使用される「4寸×6寸」サイズが取りやすかったため四六判と呼ばれるようになりました。四六判とB6サイズの書籍は、出版物全体の約30%をも占めています。

ハトロン判:原紙サイズは900mm×1,200mm
「ハトロン」という言葉は、ドイツ語で「パトローネン パピアー(薬莢を包む紙)」という意味を持ちます。
日本では、第2次世界大戦頃まで作られていた「ハトロン紙」という包装紙の1種が909mm×1,212mmのサイズであったため、現在では900×1200mmのサイズをハトロン判と呼んでいます。

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